経験が大切な看護の仕事

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看護師として勤務したてのころは緊張と仕事を覚えることで精一杯になってしまい、なかなか細かなところまで気がつくことができないものでした。しかし、仕事に慣れてくると患者さんの顔色や表情・しぐさなども目に入るようになり、患者さん一人一人をしっかり把握できるようになります。これは、看護師としてその病院で働くことの経験を積んだからです。また、注射なども、経験をどんどん重ねることで上達していくものです。怖いから、苦手だからといってその仕事を避けて通っていると、なかなか看護師として成長していくことはできません。
言葉の中に「亀の甲より年の功」という言葉があります。これは、人生についての言葉です。年を重ねることで経験を重ね、そのことで自分を深めていくことができるという意味の言葉ですが、看護師の仕事もまさに経験がものをいいます。
私が看護師として身体障害者施設で働いていたときの話ですが、一人のてんかんの発作の持病を持った男性の利用者がいました。ある日、私が何気なくその人の部屋を掃除していたら、その男性はボーっとしていました。たまたま通りかかった別の看護師が、私に「その人発作起こしてるから、いすからおろして横にして!!」と叫んだのです。後から聞くと、その男性の場合発作のおき方が二通りあり、ボーっとしてしまう発作といきなり震えだす発作が起きるときがあるといっていました。てんかんと言えばいきなり震えだすという知識しかなかった私に、その看護師は「長く務めてればわかるようになるよ」と教えてくれたものです。
看護や介護の場合、相手は人間ですから教科書どおりにはなかなかいかないのが難しいところです。しかし、長年経験をつんでいくことによってそういった難しさも解消できるようになります。